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◆SHELDRIC ORPHANAGE -- シェルドリック動物孤児院


シェルドリック孤児院(ゾウの孤児院)はナイロビ国立公園の敷地内にあり、密猟や様々な理由により親を亡くした子ゾウを保護して育て、野生に帰す活動をしています。


創立者は、ツァボ国立公園の初代公園長に任命されたデビッド・シェルドリックさんで、初めはツァボ国立公園に孤児院がつくられました。デビッドと妻のダフニさん一家は、ツァボで暮らし、野生動物を救うために様々な活動を行ないましたが、そのような中、サンブール国立公園で保護されたメスのゾウ、エレナと出会います。


やがて、エレナとダフニさんは、深い愛情でつながり、エレナは動物の孤児たちのリーダーとなって、彼らが野生に帰る架け橋となり、様々な奇跡を起こしました。ご存知の方も多いと思いますが、そのゾウこそ、ガイアシンフォニーのエレナです。


その後、デビッドさんは、ナイロビへの異動を告げられ、その数ヶ月後に突然亡くなってしまいましたが、
ダフニさんと娘のジルさんが彼の遺志を継いで、ナイロビ国立公園に、ダフニ・シェルドリック動物孤児院を開いたのです。


シェルドリック夫妻が、ツァボで孤児たちと過ごした貴重な生活から受け継がれた習慣が、散歩です。ナイロビ・シェルドリック動物孤児院の子ゾウたちも、飼育係と共に自然の中を歩きながら、野生で生きていくためのルールを学んでいきます。そして、孤児たちが、ちょうど散歩から帰ってくる時間に見学が許されており、訪れた人は子ゾウたちがミルクをもらったり、水浴びしてして遊ぶところを見る事ができるのです。


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大勢のギャラリーが見守る中、子ゾウたちは無邪気に遊ぶ

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以前は、子ゾウ用の人工ミルクを作り出すことが難しく、保護されてもすぐに死んでしまう事が多かったが、ダフニさんが人工のミルクを作り出すことに成功した


シェルドリック動物孤児院では、飼育係が散歩から帰ったゾウたちの一頭一頭の経緯などを説明してくれます。1頭につき1人の飼育係が子ゾウを担当し、母ゾウの代わりに、付きっきりで世話をします。飼育係は子ゾウと同じ小屋で寝て、24時間体制で、愛情をかけて世話をします。ゾウは非常に愛情深く繊細であり、野生の状態での赤ちゃんゾウは、常に母親の体に触れながら、絶対的な保護と愛情を与えられます。そして、同じ群れの祖母や叔母、姉たちからも見守られて育ちます。そのため、親から離れたゾウの赤ちゃんは、精神的な支えを失うと、24時間以上生きることは出来ないそうです。幼いゾウにとっては、常に愛情を与えてくれる存在と、触れ合うことがとても重要なのです。


子ゾウたちは自分たちの遊びに一生懸命でしたが、代表がコミュニケーションを試みると、一頭の雄のゾウがそっと自分の気持ちをもらしました。


「本当はさみしい・・・・・・。でも、それを言ってしまうと、他の子からいじめられるから言えない・・・・・・」


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代表に気持ちを教えてくれた子ゾウくん

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無邪気にボール遊びに興じているが、心の底にある悲しさを押し隠しているのかもしれない


一見、無邪気に楽しそうに遊んでいるように見えた彼らですが、やはり心には母を失った悲しみやさみしさを隠していました。自分の気持ちをこっそり教えてくれた、小ゾウでしたが、すぐに仲間の目が気になったのか、群れの中に戻っていき、それからは自分の気持ちを、もう話そうとはしませんでした。


いつか、彼らともっと深いコミュニケーションがしたい・・・・・・。そう思いながら、私たちは、孤児院を後にして、アンボセリ国立公園に向かいました。

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