T&H のオーストラリア便りその 27

2012.03.20

アルケミスト・オーストラリア支部の近藤夫妻が
豊かな大自然と動物たちの情報をご紹介します！
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◆オーストラリアで働く動物たち
日本で働く動物たちと言えば、警察犬や盲導犬が直ぐに思い浮かぶと思いますが、ここオーストラリアでは空港で働く「検疫物探
知犬（Quarantine detector dogs）」が活躍しています。余り馴染みのない名前かも知れませんが、オーストラリアを訪れたことのあ
る人の多くは、空港で働いているビーグル犬を見かけたことがあるのではないでしょうか？
先日、日本からオーストラリアに戻ってきた際、空港の税関での出来事です。係官に「不法な食べ物は持ってきていない」と申告し
た後、「この列に並び待ちなさい」と言われ、５～６人の列に並んでいると、係官がビーグル犬を連れて登場し、「Jump on this
baggage.（この荷物の上にジャンプしなさい。）」と言うと、そのワンちゃんは、１つずつ荷物の上に飛び乗って、何やらクンクン匂い
を嗅いでいます。全ての荷物の確認が終わると、ワンちゃんは「Good boy!!（よいこだ！）」と係官に褒められ嬉しそうにしながら立
ち去って行きました。そして、旅行者は税関を出ることを許可されるのでした。
これは何気ないオーストラリアの入国の時の１シーンですが、そうです、これが空港で働く検疫物探知犬なのです。オーストラリア
はご存知の通り、カンガルーやコアラなど固有の生物が多い国であり、種の保護の目的で入国時の検疫が厳しい国でもあります。
彼らの仕事は、違法なものが観光客の荷物の中に紛れていないかどうか、１つ１つ確認することなのです。

＜写真出典：Quarantine detector dogs（検疫物探知犬）＞

ビーグル犬は温厚でフレンドリーな性格が広く愛されていますが、昔から人間の狩などに重宝されていた犬種であり、たくさんの匂いの中から限られた匂いを嗅ぎ別けることができる優れた能力を持っています。検疫物探知犬として働く彼らは、旅行者のかばんの中に持込が禁止されている食品（生鮮食品、肉類、卵、植物の種など）が入っていないかどうかを嗅ぎ別けることができるのです。オーストラリアはこうした動物の訓練の先駆けであり、最近では日本の空港でもこうした検疫物探知犬がお目見えしているようです。オーストラリアにお越しの際には、是非、生き生きと働くワンちゃんたちの活躍ぶりをご覧になって下さいね。但し、彼らの集中力を妨げないようにそーっとご覧になることをお勧めしたいと思います。